前回、つるかめ算についてわかりやすく面積図を使って解説しました。
つるかめ算の文章題は、中学校の数学「連立一次方程式」で解くのが一般的です。
しかし小学校では連立一次方程式を習わないため、小学生はつるかめ算で計算するというわけです。
では、つるかめ算で出題されている文章題を連立方程式ではどのようにして解くのでしょうか?
今回はつるかめ算を使わずに連立方程式での解き方を解説します。
つるかめ算を使わずに連立一次方程式での解き方
つるかめ算を使わずに中学で習う連立方程式での解き方を2つ紹介します。
練習問題は前回の「つるかめ算」の時に使った問題2問を使って解いてみます。
練習問題1を連立一次方程式で解く
つるかめ算の練習問題1
30円のチョコレートと、70円のスナック菓子をあわせて20個買いました。その時の代金は800円でした。
チョコレートとスナック菓子を、それぞれ何個買ったか求めましょう。
前回(つるかめ算のわかりやすい解き方)と全く同じ問題です。連立方程式で解いていきます。
まず最初にチョコレートをX個、スナック菓子をY個に置き換え、2つの式を作ります。
1つ目の方程式:個数の式
チョコレートX個とスナック菓子Y個を足した合計が20個なので、1つ目の式は「X+Y=20」になります。
2つ目の方程式:値段の式
チョコレート30円がX個とスナック菓子70円がY個、その代金が800円なので、2つ目の式は「30X+70Y=800」となります。
- X+Y=20
- 30X+70Y=800
①「X+Y=20」のYを右に移動させ、X=という形にすると「X=20−Y」
次に②「30X+70Y=800」のXの場所に、今計算した20−Yを代入します。
すると「30(20−Y)+70Y=800」になります。計算していきます。
600−30Y+70Y=800
40Y=200
Y=5となったのでスナック菓子は5個になります。
最後にチョコレートの数を計算します。
「X+5=20」
5を右に移動させ、左はXだけにすると「X=20−5」
「X=15」となりました。チョコレートは15個となりました。
以上が練習問題1の連立方程式での解き方です。下の図でも確認して下さい。
練習問題2を連立一次方程式で解く
もう1つ練習問題2も連立方程式で解いてみます。
つるかめ算の練習問題2
50円の鉛筆と80円のペンをあわせて20本買いました。その時の代金は1360円でした。
鉛筆とペンをそれぞれ何本買ったか求めましょう。
まず最初に鉛筆をX本、ペンをY本に置き換え、2つの式を作ります。
1つ目の方程式:本数の式
鉛筆X本とペンY個を足した合計が20本なので、1つ目の式は「X+Y=20」になります。
2つ目の方程式:値段の式
鉛筆50円がX本とペン80円がY本の代金が1360円なので、2つ目の式は「50X+80Y=1360」となります。
- X+Y=20
- 50X+80Y=1360
「X+Y=20」のYを右に移動させ、X=という形にすると「X=20−Y」
次に「50X+80Y=1360」のXの場所に、今計算した20−Yを代入します。
すると「50(20−Y)+80Y=1360」になります。展開して計算していきます。
1000−50Y+80Y=1360
30Y=360
Y=12となったのでペンは12本になります。
最後に鉛筆の本数を計算します。
「X+12=20」
左はXだけにすると「X=20−12」
「X=8」となりました。鉛筆は8本となりました。
以上が練習問題2の連立方程式での解き方です。下の図でも確認して下さい。
連立一次方程式で解くときのポイント
連立方程式のポイントは2つあります。
左の数が右に移動したり、右の数が左に移動する時は+の数は−、−の数は+になる
例えば「X+左=右」とあったときに、左の数が右に移動すると「X=右−左」というようにマイナス(−)になります。
その逆もあります。
「X−左=右」とあったときに、左の数が右に移動すると「X=右+左」というようにプラス(+)になります。
X(A−B)を展開する時はXを両方に掛ける
X(A−B)を展開する時は、かっこの中の数を両方かけてあげ「AX−BX」になります。
以上の2つのポイントを忘れないようにしましょう。
つるかめ算での解き方はこちら▼